サツマハオリムシ

サツマハオリムシ

(ジャマランディさん)06/3/13
鹿児島水族館の隠れた主役・サツマハオリムシです。1993年鹿児島県錦江湾北部の水深82mの海底で発見されました。蛋白質で作った管状の殻の中に棲んでいます。

(補足情報)
ハオリムシ類の生態展示に成功したのは、かごしま水族館が世界初です。

at かごしま水族館
by ジャマランディ様


分類: 有鬚動物門  ハオリムシ綱  基鰓目  ラメリブラキア科
学名: Lamellibrachia satsuma
英名:
別名:
特徴:

ハオリムシ類の系統上の位置については未だに議論が多く、環形動物門に含まれるとする場合も少なくありません。ここでは、JAZAの年報における表記に従いました。

1993年に鹿児島県の錦江湾で発見されました。

水深100mほどの岩礁に生息する、世界で最も浅い海にみられるハオリムシです。水底から火山ガスが噴出するような熱水鉱床の周辺に群生します。

体は細長い蠕虫状で、タンパク質やキチン質からなる棲管に入って鰓だけを水中に露出しています。鰓の下部には移動のための筋肉と、トロフォソームと呼ばれる袋状の器官があります。口や消化管は持っていません。

ハオリムシは鰓から水中の酸素、火山ガスに含まれる硫化水素などの硫黄分を取り込み、体内へと運びます。トロフォソーム部には多くの化学合成細菌が棲んでおり、これらの細菌が硫黄、酸素を用いてつくった有機物をハオリムシが利用するという共生関係にあります。

かごしま水族館が世界初の展示に成功し、その後、新江ノ島水族館などでも飼育展示されています。飼育には、硫黄分を餌として人為的に与えるなど環境設定が重要であるようです。




<サツマハオリムシ・ギャラリー>

(ジャマランディさん)05/3/13
管から赤いエラを出して硫化水素などの火山性ガスを取り入れ、それらを体内に共生しているバクテリアが化学合成して、やがてはハオリムシの糧となります。

(補足情報)
鰓の赤色は、哺乳類の血液にも含まれる色素タンパク質、ヘモグロビンによるものです。

at かごしま水族館
by ジャマランディ様
サツマハオリムシ
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